どこかで誰かが…
その帰りの電車の中、
気付かなかった友達からのメールの返信を終え、視線をあげた。


「!」

「よう。」

「おぉ。」


目の前に大沢が立っていたことにはじめて気が付き、

「いつからいた?」

「なんか真剣に打ってるから…5分は待ったよ。」

「ごめん。今度試合があるから、その件で。」

「サッカー?」

「フットサル。」

「楽しそ。」

「まな。」

「…飲んでんの?」

「ちょっと。」

「どーゆーとこで飲むの?今度飲もうぜ。成人式の時以来飲んでねーもんなぁ。」

「成人式の時しか!だろ。」

「あん時メチャクチャだったよな…つか、俺全然覚えてねーんだけど。」

「チョー酔っぱらってたから!…さすが体育会。女子どん引きだし。」

「マジ?最悪じゃんソレ。あれ?あん時、佳菜子っていたんだっけ?」

「あいつ、飲み会には顔出してねーよ。」

「そっか。あ、だから俺ハメ外せたんだった。そーだそーだ。」

「…」

「佳菜子元気?」

「!」

「たまには会うんだろ?」

「…よく会うよ。」

「!マジで?じゃあ今度、三人で会おうぜ!」

「…ないな。」

「え?」

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