どこかで誰かが…
エピソード2
「佳菜子、今日、なんかある?」


お弁当を食べ終わった昼休み、
ゆっこが佳菜子の耳元で囁いた。


「何も…なんで?」

「お好み焼き食べて帰らない?」

「行く!」

「じゃ、帰りに教室覗くから、待ってて!」

「うん!あとは?」

「え、うん、4人かな。」

「ふーん。」

「じゃ、あとで。」

「うん。」


食べたばかりで、放課後に食べて帰る予定をたてるあたりが、まだ色気より食い気といったお年頃…

と思いきや、

「あれ?あと二人は?」

「先に行って場所とってもらってる。」

「早っ!誰?」

「モッチーと高木。」

「!そーなの?」

「なんか問題ある?」

「ない。」

「よっしー!」

(そーゆーことか。)


なんとなく、色気はあるようだ…たとえ、お好み焼きでも。


「おまたせー!」

「うーす。」

「もう頼んだ?」

「まだ。勝手に頼んだら何言われるか分からねーから。」

「言わないよ何も。」

「ウソつけよ。食べ物の恨みは恐えーかんな。」

「そん時はおごってもらうくらいだよ。」

< 31 / 433 >

この作品をシェア

pagetop