どこかで誰かが…
ある日の家庭教師のバイトの日…


「先生、中三の時、彼女いた?」


教え子の質問答えに困る清瀬。


得意分野の理系ではなく、
英語でもないその質問の内容は、契約に無かったが、
教える側の立場として、
期待に応えなければならない気がして…


中学生相手に見栄を張るつもりもないし、
実際、彼女はいなかったのだから

“いないよ。”

そう言えば済むとことなのに、

その答えからの話の展開が読めず、少し怖かった。


そこで思い付いたのが

「なんで?なんか悩んでるの?」

上手い返し方だ。


すると

「…つきあってくれって言ったら断られた。塾が忙しくて、それどころじゃないってさ。」

「ほぉ…随分真面目な子だなぁ」

「そんなの口実だよ。馬鹿なんだから、たいしたトコ狙えるわけねーのに、今更勉強したってさ…」

「だから慌ててんじゃねーの?」

「…」

「そんなに好きなら見守ってやれよ。」

「先生ならそーする?」

「つーか、そーした。」

「…だせっ。」

「なんとでも言ってくれ。」

「フラれたの?」

「ずっと男がいたんだよ。それも切れ目無く。」

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