どこかで誰かが…
「さて!じゃあ、帰ろっかな!」

「ん。」

「あ〜大丈夫!…まだ明るいし、今日は1人で帰る。」


明日の出発のことを考え、片桐家からの早い時間での退散を考えていた佳菜子とは逆に、

「送るよ。コンビニで買いたい物もあるし」

「なら、駅までね。」

「…明日から1週間会えないんだぜ。」

「もっと会えなかった時もあったでしょ。」

「そーだっけ?」

「連絡はとってたけど。」

「俺の方からね。」

「…私って愛されてるぅ〜!」

「だから家まで送ってく。」


1週間先の分まで、少しでも一緒にいたい片桐。


走るクルマから飛び降りるワケにもいかず、
結局、家まで送ってもらうことになり、

「親に捕まると長くなるから、手前で降ろしてくれてイーから。」

「ん。…キヨスクいるかな?」

「いーから!」

「行かねーよ。」

「あ!いないよ、きっと。彼女できたみたいだし。」

「お?!なんだそれ?聞いてねーぞ!」

「そ?前のカテキョやってた子のお姉さんなんだって。2年生。」

「高校?!」

「ばか。」

「だよなぁ。」

「わざわざ弟の受験が終わるまで待って、告ってきたんだってよ。」

「そんなことされたらイチコロだな。」

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