どこかで誰かが…
ようやく堀口家の前に着くも、玄関先の灯りは消えていた。


「お父さん、まだか…」

「空手?」

「会社の付き合い。」

「…真っ暗だなぁ。」

「うん。いつもはお母さんが、家族が揃うまで玄関燈点けて待っててくれるから。」

「家を守ってるって感じだよな、おばさんって。」

「分かってたけど…ホントだね。いつも家の中で、こんな時間まで独りで居るんだぁ。」

「誰かの帰りが待ち遠しいんだろうな。」

「だからか…(なのにウザイだなんて…)」

「“ありがたい”だろ?」

「いざ、こーなってみるとね。」

「…」

「結婚するって…こーゆーことなんだね。」

「このご時世、色んなケースがあるだろ。」

「…」

「なんだよ?」

「ね、お茶でも飲んでいけば?」

「1人で入るのが怖いんだ?!」

「違います!」

「しょーがねーなー。」

「なによ偉そーに!」

「いーから、早く鍵開けろって」

「はぁ?!」

「早く!トイレ行きたいんだよ!」

「あー、ごめんごめん!」

「おい、電気電気!」

「ハイハイ。ここここ!」

「やっべ!モレそー!」

「やだ〜も〜!」

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