どこかで誰かが…
エピソード1
朝、いつもより早く起きた佳菜子は、
鏡の前に立ち、教えられた通りのスタイリングに必死だった。


「早くしないと遅れるわよ!」


パーマをかけて初めての登校は、ワクワクと言うよりドキドキだ。


バス停に着くと、3人前に、清瀬和巳の姿を発見。


バスが来て乗り込むと、そおっと後ろに回って声をかける佳菜子。


「おはよ。」


聞き慣れた声に反応した清瀬は、

「うっすぅ〜うう!!」

「どう?」

「どうって、どーした?」

「パーマを当ててみましたぁ。」

「…なんかあったか?」

「イメチェンってやつ。」

「…」

「へん?」

「いや、つーか…化けるもんだなぁ。」

「そーですか!」

「これでも褒めたつもりなんすけど。」

「全く伝わらないんだけど。」

「そりゃ残念。」

「ふんっ!」


こーして、その日の学校までの道のりは、清瀬と二人で向かうことになった。

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