どこかで誰かが…
その日の放課後、

「佳菜子!」

下駄箱の前で、ゆっこに引き止められ、


「相談のってくんないかな?」

「私に?」

「うん!」


キョトンとする佳菜子だったが、

とりあえず、ゆっこの後に付いて、川沿いの散歩道に向かい歩きだす。


それなのに、いつまでたっても、なかなか本題に入れないでいるゆっこに、さすがの佳菜子もシビレを切らし…


「どうした?…私に相談なんて、もしかして…」

「あ、あのね!…清瀬のこと…なんだけどね!」

「…(やっぱり。)」

「実は、つきあってみようかって…」

「おっ!」

「でも、好きとか、そーゆーのとは少し違くてね…」

「それはゆっこちゃんが?それとも清瀬が?」

「あたしは、清瀬のことが…気になるって言うかさ…」

「そーなんだぁ。」

「…清瀬はね、あたしのことがほっとけないって言うんだけど……あたしが、高木のこと好きだったこと知ってて、同情してくれてるだけなんだと思うんだよね。」

「?なんでそう思うの?」

「なんでって?」

「だって、清瀬がゆっこちゃんに同情する意味が分かんないんだもん。」

「え?」

「清瀬にはね、中学の時ずっと好きな人がいたの。その間、告白されても誰ともつきあわなかったんだよ。」

「…」

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