どこかで誰かが…
一途に一人の女の子を想い続けてきたという清瀬は、
大沢が清瀬や佳菜子を巻き込んだ、例のグループ交際につきあったことはあっても、きちんとした
“彼女”ができたのは、佳菜子の記憶の中で、多分、ゆっこが初めてのはず…


その当時、4人で遊ぶにしても、大沢が彼女とペアを組めば、必然的に清瀬は佳菜子と組むことになるわけで…その様子を見ていた負けず嫌いの大沢は、しだいに佳菜子が気になりはじめていった。


とにかく、大沢の清瀬に対する執着は、近くで見ていた佳菜子にも伝わるほどで、

彼女と別れた理由について、妙な噂を耳にしても、

“私のことを好きって、勘違いしているだけだ”と

そう理解していた佳菜子。


いくら意中の人とはいえ、鵜呑みにせず、なんとか気持ちを誤魔化しながら、ここまできて、今に至というわけだ。


もちろん、友達である、大沢の元カノの気持ちも配慮してのことでもあったが、

実は、一番に気を遣っていたのは、清瀬に対してだった。


佳菜子は大沢から清瀬を解放させてあげたかった。


(やっと学校が離れたのに、自分が大沢と繋がっていたら、清瀬は、また大沢にまとわり付かれるに違いない。)


幼なじみの清瀬のために、身を退いていた佳菜子。


そのことは、薄々、清瀬も気が付いていたのだが、

なぜ、佳菜子がそんなことに気を遣うのか…

それについては分からずじまい。


ただ、そんな佳菜子に、ふさわしい居場所ができることを、陰ながら応援する清瀬だった。

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