紅龍 ―2―
「…―時間だ。帰る。」
それに帰りだすし。
しかも、逃げるように。
こうなればもう答えなんて聞けない。
「隼人―…。」
俺は隼人の背中をじっと見つめた。
俺の声に気付いたのか隼人が少しだけ振り向く。
その口は。
『あんま泣くと格好わりぃぞ。』
と確かに言っていた。
なんなんだと思う。
隼人だって今にも泣きそうな顔してたのに。
人の、俺の心配なんて。
本当に―…なんでこんなにも隼人は優しいんだろうな。
って思う。