ひとりじゃないから
ほんと、おかしい。
人の車なんて、一生乗りたくなかった。
あたしに入り込んでほしくなかった。
ご飯をきらいになってから、あたしは人の前でモノを食べるのがいやでいやで。
先生がくれる食べ物だって、ほんとは食べたくなかったはずなのに。
だけど、それでも。
なんで先生は、あたしの中に入ってくるんだろう。
なんで先生には、いやだって思わなくなったんだろう。
最初の方は、どうしてもいやだったのに。