素直の方が好きですか?


荷物なんて、誰がまとめるか。
ギリギリまで俺はあきらめない。

それでこそ俺、東栄想だろ?

俺は、智葉がどんなに変わっていようと、見つけ出してやる。
だから、智葉も俺のこと、見つけてくれよな。


俺は気分転換に外に出ることにした。
智葉と出会うことを願って。

足の向くままに歩いた。
習慣って怖いな。

自然と、あのバイト先に向かってるんだからな。

「ちはー」

「あらあら、想じゃないの」

「久しぶりです」

「本当ね、あ、そうそう卒業おめでとう」

俺は、内定が決まってから少したってバイトをやめた。

「ありがとうございます」

「想坊!」

「……美坂先輩」

「おめでとう!」

美坂先輩が、おめでとう……って。
や、槍でも降るのか!?

「なんだその顔は!不満なのか!?」

「い、いえ」

ただ、純粋に嬉しかっただけですよ。

< 496 / 526 >

この作品をシェア

pagetop