人はそれを恋と呼ぶ
すっかり暗くなった道を、ちょっと目深に帽子をかぶる。
ゆーちゃんはいつも明るい。そして優しい。誰とでも喋れる。あたしにはない、彼の才能であり、長所。
でもそれがいつもあたしを傷つけるんだ…。
駅前を通りかかった時、そこに立っていた男の人と目があった。
背が高くて少し茶髪の男の人は、一般的に言うとかなりのイケメンだけど、あたしの顔を見るなりちょっと驚いた顔をした。
え?なんで?
知ってる人だったっけ?でも…確かに見覚えがある気がして立ち止まると、彼はあたしに近づいて来て声をかけた。
「なんで、ここに?まさかアイツの家に行くつもり?」
「…は?アイツ…って…?あなた誰ですか?」
彼はおかしそうに笑って答えた。
「優太なら家にはいないよ?」