パパはアイドル♪ ~奈桜クンの憂鬱~
「おぉ~。パパドル見っけ」


後ろから来た心が2人の間を割って入って強引に肩を組む。


「おはよう、心。あっ、ねぇ、昨日観た?奈桜のドラマ」


「観たよ。あの泣けるドラマだろ?オレ、号泣したよ」


「どこが泣けるんだよ?どっちかっつーとコメディだよ」


二人とは反対方向を向いて、呟くように奈桜が言う。


「めちゃくちゃ面白かったよね?オレ、すぐにブルーレイに落として今朝も観て来た」


どうやら本当にドラマを気に入ったらしく、奏は目を閉じて場面を思い出していた。


「分かる。分かる。オレなんて一晩中リピッてたからね。ラストがさ…泣ける」


「いつまで言ってんだよ」


目頭を押さえる心を横目に奈桜は楽屋に入って行く。
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