愛のため息
その1つが変わっただけで、他の事にいろんな変化が起こった。




ガチャリ、とカギの開く音がして、ゆっくりとドアが開く。



まずここで付き合う前と違う変化がひとつ。



前は、『また来たの?』とか『家で宿題したら?』とか、ため息混じりに言われてた。




でも今は違う。




『外、寒くなかった?』




温かい言葉で出迎えてくれる。
しかもとろけちゃうくらいの優しい笑顔付き。




「近いから平気。お邪魔しまーす」




こんな笑顔を向けてもらえるなんて、夢みたいで、嬉しくてミイも自然と笑顔になっちゃうんだ。




『今、コーヒー飲もうとお湯沸かしてたんだ。ミイも飲むよね?』




「うんっ」




『じゃあ、そこに座って待ってて』




付き合う前までは、こんなやり取りもなかった。




『飲みたいならご自由にどうぞ』って自分の分だけ用意してたタカちゃん。
今はミイの分も一緒に用意してくれる。






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