愛のため息
『もうっ!ちょっと冗談で言っただけですよ。そんな厳しいコメントしないで下さい。
・・・あ、すみません、電話に出ても良いですか?』




それに頷くと、田村さんはケータイ片手に席を立った。




あ~、焦った。




ミイと会ったとき、田村さんの存在忘れて、普通にミイと話してしまってた。





だらしないにやけ顔をみて、田村さんもあんなことを言ったんだろう。





ミイとのことを勘ぐられる前にうまくごまかせて良かった。






田村さんを見ればまだ通話中のようで、少し離れたところで話をしている。






用事も済んだしここを出れば、田村さんとも解散だ。





俺もケータイを手にとって、ミイにこれから会えないかとメールを送った。





駅前で待っていると言う返事が少しして届く。




春先とはいえ、今の時間帯はまだ冷える。それに日も暮れてきてるのに外で待たせるのは、心配だ。




そう思った俺は、今いるここからも、駅からも近い場所にあるホワイトデーに連れて行った喫茶店・赤レンガで待つようにメールした。





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