宣誓!わたくし細井真琴は7月7日までに20kg減量し憧れの朝倉先輩をGETすることをここに誓います!


野崎に頼んで用意した会場は[音楽室]だった。


すでにダイエット部のメンバーが準備に追われている。


「おぅ真琴。なんとか間に合いそうやな」

「ありがとね。どれも美味しそう!」

「ちゃんとウェディングケーキもあるで。ちょい小振りやけどな、おかんが張り切ってたわ」

「明日、改めてお礼に行くよ」


オードブルが乗った皿を運ぶ。


どれもチエの手作りで、これだけの量なら、恐らく徹夜で作ったのではないか。


昨日、正樹とお願いに行くと、快く引き受けてくれた。さらに、費用の話をした途端、


「あんた!そないめでたい席で金の話したらあかんで‼」

「あ、ありがとうございます!」

「出世払いでええわ」


そんなやり取りが思い出される。


色鮮やかな料理と、食欲を刺激する香りに、ついついつまみ食いをしたくなる。


ついつい、クラッカーチーズいくらにコッソリ手を伸ばした時、用意が整った男子組みがやってきた。


舌打ちし、食いしん坊な手を引っ込める。


「部長、連行しました」


恥ずかしがって逃げる可能性が大きい、正樹の横にピッタリとつく太志。口の端にケチャップがついている。


い、いつの間に‼


あまりの素早さに驚き、もうひとつついでに?驚いた。


タキシードに金髪、


よく似合っていたからだ。


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