宣誓!わたくし細井真琴は7月7日までに20kg減量し憧れの朝倉先輩をGETすることをここに誓います!


「ハァ~」


思わずため息をつく。


[究極の四択]


わたしの気持ちは、はっきりしている。


それなのに、きっぱり断れないのは、はっきりしてない証拠ではないか。それとも、自信がないからか。


目標の60kg。


チエのダイエットに移行するようになって、肩の重さが消え、一日のとらえかた、一時間の感じ方、一分、一秒の中にも、時折、幸せを感じる心のゆとりができた。


だが、明らかに体重の減りは鈍い。そのことは、自分が一番わかっている。


「なぁに細井さん、考え事?」


どうやら、かかと落としにハマった野崎先生。


「いろいろとあるんです」

「あら、あなたらしくない。さては恋でしょ?」


ズバリ言い当てる。


「かくいう先生も、学生時代にはため息がつきものだったわ。可愛い可愛いため息だけどね。考えて迷っては悩み、また考える。それが"青春"てものよ」

「青春…」


二文字を噛み締める。


「大人になれば、悩む前に合理的に解決してしまう。でもね、先生は、その悩む時間が、いい時間だと思うの。自分を振り返る時間。普通に追われて生活してると、客観的に自分を見ないでしょ?自分を振り返るって言葉、素敵だと思わない?」

「そう、ですね…」

「だから悩みに悩みなさい!いつか道は開かれる、よ」

「先生」


感銘したと続くように見せかけ、


(初めていいこと言いましたね)
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