宣誓!わたくし細井真琴は7月7日までに20kg減量し憧れの朝倉先輩をGETすることをここに誓います!
「部長‼来てたんですか?」
マスクを取ると、いつもの愛くるしい笑顔が。
「花村君じゃない‼いつから野球部に?」
「それは…」
と、なぜか野崎を見る。
「真琴!来てくれたんだ?あ、監督、この回で引き離しますから!」
悠太が上ずった声で、の、野崎を見る?!
「あら細井さん、言ってなかった?私、野球部の監督なの」
「鬼監督‼」
思わず口から出る。
「なにが鬼監督よ。あなたのほうが、よっぽど怖いわよ先生」
「で、でも先生、花村君を引き抜かれたら困ります!」
「分かってるわよ。ちょっと借りただけ。先生、ダイエット部は絶対に潰さないから!なにがなんでも潰さない‼」
鬼と鬼が手をを取り合っているうちに、すでにツーアウト。
次の打者が、素振りしながら打席に向かう。迫力は認めるが、
せ、狭そう⁉
「花村君!ホームランよ‼」
懸命の応援も、完全に目をつぶってバットを振るため、かすりもしない。
「打つほうは教えてないのよ。当たれば場外ホームランだけどね」
野崎がぼやいた直後、
カキンっ‼
あ、当たった!
校舎に迫る勢いで飛んでいくボール。誰もが得点を疑わなかったのだが…。