宣誓!わたくし細井真琴は7月7日までに20kg減量し憧れの朝倉先輩をGETすることをここに誓います!


「部長‼来てたんですか?」


マスクを取ると、いつもの愛くるしい笑顔が。


「花村君じゃない‼いつから野球部に?」

「それは…」


と、なぜか野崎を見る。


「真琴!来てくれたんだ?あ、監督、この回で引き離しますから!」


悠太が上ずった声で、の、野崎を見る?!


「あら細井さん、言ってなかった?私、野球部の監督なの」

「鬼監督‼」


思わず口から出る。


「なにが鬼監督よ。あなたのほうが、よっぽど怖いわよ先生」

「で、でも先生、花村君を引き抜かれたら困ります!」

「分かってるわよ。ちょっと借りただけ。先生、ダイエット部は絶対に潰さないから!なにがなんでも潰さない‼」


鬼と鬼が手をを取り合っているうちに、すでにツーアウト。


次の打者が、素振りしながら打席に向かう。迫力は認めるが、


せ、狭そう⁉


「花村君!ホームランよ‼」


懸命の応援も、完全に目をつぶってバットを振るため、かすりもしない。


「打つほうは教えてないのよ。当たれば場外ホームランだけどね」


野崎がぼやいた直後、


カキンっ‼


あ、当たった!


校舎に迫る勢いで飛んでいくボール。誰もが得点を疑わなかったのだが…。









< 456 / 469 >

この作品をシェア

pagetop