透明な願い


「そか、なら良かった」

「っ…」


…どうしてだろう。

自分は傷を負ったのに、あたしが無事なのを見て

そんなに温かく、そんなに優しく笑うのは


どうして?




てか、この人どこかで…


まだ頭の整理がついてないあたしをよそに、あたしを庇っていた手を退かすと一直線に窓に向かった。


そこには理由はともあれ保健室にボールを投げたと思われる人が申し訳なさそうに立っていた。


「あっぶねー!!気を付けろ!!」

「す、すいません」


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