ずっと前から好きだった
手を離して
少し距離をあけた。
なんだか
寂しかった。
「ひなちゃんの迎え?」
「おう。
あ、3人待たせてるよな。
じゃっ。また明日」
些細な優しさも
私にとっては、すっごく
かっこよく感じてしまう
だけどもっと
ずっと一緒にいたい
「ばいばい」
後ろ姿が小さくなるまで
私は見つめた。
彼しかしらない秘密
私がこの事務所にいる事
こんなことも
特別と思っていいのかな
「お待たせしました」
「待ったよ~
てか敬語やめない?
かっちゃんだって
あたしたちに
タメ口利いてるし」
魅麗さんは
かっちゃんの背中をたたいて
『ねぇ』と迅さんにも
訴えかけていた。
迅さんは珍しく
笑いかけてくれた。
「きっと俺ら
デビューするから。
敬語なんつぅ堅苦しい
喋り方…
こっちが逆に嫌だし」
「ねっ!かなちゃん!」
満面の笑みで私の手首を掴み
ぷらぷらと振り出した。
そんな魅麗さんは
まるで子供のよう