偽りのプリンセス


どう見ても私の靴じゃないし、私は靴を無くしていない。


だから、するりと硝子の靴に自分の足が入った時は驚いた。


「……っ!?」


「おぉ!貴方こそが、王女となるお方ですね」


「はっ!?ち、違います!」


「さぁ、行きましょう」


「え!?あ、あの、ちょ……」


数人に腕を捕まれ、強制的に連れ出される。


「ジュリアが……王女!?」


姉も母も、口をあんぐりと開けて私を見ていた。


< 2 / 16 >

この作品をシェア

pagetop