超モテ子の秘密
「わかった。去年の夏休みにね…」
私は和也君に差し掛けられた透明の傘越しに、少し小降りになった雨と真っ暗な空を見上げ、あの事を思い起こす……。
〜去年の夏休み〜
私は東京の都心にあるアパートに家族4人で暮らしていた。
その時住んでたアパートは、今のとこよりももちろんキレイで広くて、あたたかくて…。
まだ一年もたってないのに、あの日々がとても懐かしく思える―――。
家族みんなで食卓を囲んで笑いあってた時間が、今になってどれだけ幸せなものだったか、よくわかったんだ。
そう、そんな暮らしが壊れたのは、あの日に届いた郵便物…。