超モテ子の秘密
「何で姉ちゃんが謝るんだよ…?悪いのは俺じゃん。」
私はその言葉を聞いて目を見開いた。
すると、将太は大きなため息をつきながら、胡坐をかいて座り、話始めたのだ。
「昨日は色々むしゃくしゃしてて、姉ちゃんに八つ当りした。ごめん。」
いつもの強がった口調をあまり崩さず言い終えると、将太は俯いた。
八つ当りぐらいいくらでもしていいよ…。
それより……
「そんなのいいの。でも、私、将太の気持ち分かってなくて、新しいグローブなんて」
将太は私の言葉を遮り話す。
「ううん。姉ちゃんは悪くないのに、ただ俺がぶつけちゃったんだ。
………アイツらに大事なグローブをボロボロにされて悔しくて。」
将太は悔しそうに、苦しそうに、言葉を吐き出す。
そして、力のこめられた拳は小刻みに震えていた。