アタシがホストになった ワケ
ハジマリ
「萌にゃんが宇宙一かわいいよ〜
今日も楽しかったなぁ♪」

『うれち〜♪また絶対きてねっ
オヤスミ〜!ダーリン☆
バイバ〜イ』


いつものように最後の客を見送り
店に戻る。


『も〜このカッコでどんだけ外
たたせんの〜寒〜っ』


「アハハ、萌華その顔で
毒吐くな〜」


アタシは、萌華(モエカ)、23歳、
この街でキャバ嬢はじめて3年。
天職だったらしく、あっと
言う間にNo.1になった。

それからはずっとキープ
し続けている。


すべてを手に入れた。

お金も美貌も、地位も。

おまけに、ちょーイケメンの
彼氏まで。


でも、不安や悩みで毎日
胃の痛みに耐える日々。


手にしたもの、失いたくない。


思うたび、怖くなる。


外には少しも見せないように
明るく、かわいく、元気な
“萌にゃん”でいた。


人間、思ったことは
現実になるもので



< 1 / 52 >

この作品をシェア

pagetop