アタシがホストになった ワケ
15分、早く着いた。

たかサンは来ていた。


『遅くなってスミマセン。』


「お〜。」

タバコの火を消して、視線をアタシに移す。


ゆっくり見つめられる。


今日のたかサンはビシッとスーツ
で、いつになく迫力があった。

「完璧。」


そう言い放った。


『え?』


すっとぼけた顔で聞いた。

「だから、完璧。コーディネートも髪型も、完全に、そう見えるってコトだよ。」


あぁ、そういうコト…


『ありがとうございます。たかサンのおかげです。』


そういって席につこうとした時、

カチャ…――


個室のドアが開いた。


「失礼します。」


頭を下げた男。

どこかで見た、顔。


そう…蓮、だった。


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