嘘つき⑤【-sign-】
長い
長い
片思い。
報われる筈がないとしまっていた想いは、溢れ出して、受け止められるなんて思わずに、隠し続けた。
傍にいられるだけで良かったから。
ねぇ、
もう二度と
この手を離さないと誓って。
壁の無いこの距離を大事にさせて?
私はただ、
臆病な体全部、受け入れるしか出来ないから。
『…初めて会った時から、君しか見えていなかった、といえば狡いか?』
そう抱き締めるあなたが
愛しくて、
その冷たい瞳は、
もう、ほら、優しいのね。
Fin