嘘つき⑤【-sign-】

愁哉さんは溜め息をついて、僅かに目線を逸らせた後またゆっくりと透明な瞳を投げかける。


「…愛、と言われれば、そんな感情はありません」



それは、きっと、本心。



「冴木さんは…?」




こんなに、私が彼の心に入ろうとするのも多分初めて。



壁を感じていても、



その距離が遠くても、



見失わないのは、その心。


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