紫御殿†Purple heart
「あの、もしかして
 あなたは、あの絵の・・・」

「そうです
 あの絵は、私の妻が
 モデルです」

「あの絵の美しい少女は
 貴方の奥様でしたか?

 初めまして
 私は、ハチヤさんの
 絵の大ファンで
 多くの絵をコレクション
 している者です」

「初めまして
 
 妻の・・・

 ハチヤレイです・・・」

緊張で何を話せばいいのか?
私は、助けを求めるように
浅緋の腕をきつく握り締めた。

「ところで、あの絵
 どうかこの私に
 お譲りしては
 頂けませんか?」

浅緋の腕を握り締める私の
手の上に、そっと優しく
浅緋の手が触れる。
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