パパは芸能人♪


なんだよそれっ…。



病気になっても、働いていた。



自分が倒れたら俺が1人になるから…



自分が死んだら俺が1人になるからって…。










自分は1人なのに…。



やり場のない怒りや悔しさ…哀しさでしょうがなかった。



「葬式は?」



無縁仏としてお寺に納骨された。



「自分は1人で良かったのかよ…看取ってくれる奴も居ないで…何でだよ!?五郎は知ってたんだよな?何でだよ…何でだよ」



俳優が居酒屋で大物相手に大声出して、胸ぐらをつかんで明日週刊誌側から真相追求があるんだろうなんてどうでも良くて、ただ五郎に八つ当たりをしてしまった。



事情を知った上で育ててくれた五郎に初めて怒りを覚えた。



「悪かった」



何度も何度も謝った五郎



2つしか重大な出来事を聞いてないのにマンションに帰った。



血が昇った頭にシャワーをかけ、やり場のない感情をガラステーブルに拳をぶつけたら凄い音と鈍い音と共に割れた。



その上に真っ赤な血が滴り落ちていった。










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