恋愛ラビリンス―愛しのヴァンパイア―
窓の外では雨が降っていた。
もうすぐ、初めて紫貴に血を吸われてから一年が経つ。
それでも、こんな話を聞かされるのは初めてだったから、信じられない思いで聞く。
だって、つまり人間界で言う、皇太子的な……。
紫貴が?
紫貴はしれっとした顔して答えた。
『半分だけ。親父は王家の血を継いでいたけど、俺の母親は人間だから』
『……ハーフって事?』
『そう。今までは、俺みたいな半分人間の血が混ざったヴァンパイアが取りまとめていた事なんかなかったらしい。
だから、俺がそういう立場に立つ事に不満を持った奴らもいたらしいけど。
……まぁ、他に適当な奴がいなかったから、仕方なく俺を置いているだけだろうけど』
『紫貴は、頭もいいし、冷静だし、党首になるにはふさわしいと思うけど』
紫貴が認められていないみたいな事言うから、ムッとして言う。
そんなあたしに、紫貴は困った顔して笑った後、続けた。