恋愛ラビリンス―愛しのヴァンパイア―
でも、それを止めたのは深山くんの行動だった。
バっと勢いよく腕を振り払った深山くんが、藍川を一睨みしてから背中を向ける。
「俺帰る。……菅谷達ももう用ねーんだろ? 藍川と関ってもロクな事ねーから帰った方がいいんじゃねー?」
「ちょっと! それ、どういう意味……っ」
「言葉どおりだし。大体、藍川って色々人間離れしてて気味悪いんだよ」
「ちょ……、」
「桃井。いい」
静かな声に止められて隣を見上げると、藍川が無表情のまま遠ざかっていく深山くん達を見ていた。
そして反対方向に踵を返すと、歩き始める。
「行くぞ」
「あ、うん」
「だから言ったろ。おまえは人がよすぎるって。
こんな風にいつもいざこざに巻き込まれてると、俺の身体がもたない」
「でも、あたしが勝手にやってるだけで藍川には関係な……あ、藍川、手怪我してる……」