恋愛ラビリンス―愛しのヴァンパイア―
みんなで……、あれ?
みんなって、あたしとおじさんとおばさんだけだった?
誰かもう一人、いなかった……?
みんなが身体を乗り出して車を見る中、冷めた顔してた人が……。
そもそも、車を買い替えようとしたのって、それまで乗っていた車が狭く感じ始めたからだったけど……。
おじさんの車は、軽自動車で確かに小さかったけど、でも3人で乗る分には気にならなかった。
それを買い換えるってなったのは……家族が増えたからじゃなかった……?
でも……、家族って、誰が?
漠然とした疑問が頭に浮かぶ。
もやもやとしてはいるけど、でも確かそうだったような気がして……。
真相を確かめようと、リビングに入ったおじさんを呼ぼうとした。
……でも。
『おじさん』
そう呼ぼうとして、ハっとした。