上から下へのラブコール
[序章] 入学
――桜の花が、視界をピンク色に染めた。
4月某日
おろしたてのシワ一つない制服を堅苦しそうに着こなした、新しい一年生が入学してきた。
「ご入学、おめでとうございます」
体育館からは、マイクによって声を倍ほどに大きくした校長先生の声がする。
「今年は、何人入部するのかな…」
少なかったり、多すぎたら…等と考えていたら少し心配になる。
――きっと、今年も去年と同じように普通に数人だろう。
――今年は、自分が先輩として、後輩にいろいろ教えてあげなくちゃ。