新アニオタ王子
恋に気づいたら


夕方近くに目を覚ました岡本はあたしの姿を見て驚いた顔をした。


「帰らなかったの?」

「うん。あたし、あんたのコーチだから。」

「コーチ?」

「うん。あんたをイケメンにするコーチ。」

「まだそんな事言ってるの?」

「あんたが痩せるまで言うよ?」


だるそうにため息をつく岡本。


「なんで僕に構うわけ?」

その質問に素直にリアルな恋を見てみたいから。

なんて…

言えるわけないじゃん。


「なんとなく、あんたに興味があるから…かな?」


適当な言葉でうまくかわす。


「ふーん。でも僕は遠慮するよ」

「なんで?」

「痩せてイケメンになりたいなんて思わないし…」


「そう?でもあたしは興味あるから

やってもらいたいし」

「…しつこいね。」

「しつこいよ。」

「じゃあ、痩せたら僕になんかご褒美くれる?」


突然、閃いたように笑顔を見せる。

「ご、ご褒美?」

「うん。」


…やっぱり生の恋を見るのはタダでは無理なのか。


「何が欲しいの?」

「そうだなぁ〜」

と悩む岡本。



「僕が痩せた時に言うよ」

「高い物はだめだよ。」

「うん。高い物で考えておくね」


このデブオタク調子にのりやがって…。



だけど岡本もこうして本気でダイエット宣言。


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