新アニオタ王子
「あんた誰?」
突拍子もない質問に思わず吹き出した彼は
「僕だよ、僕」
僕?何、僕って…おれおれ詐欺みたいな…わけないよね。
「…眼鏡は?」
「あぁ車の中だよ」
「見えるの?」
「実は…そんなに見えてないかも」
「じゃあなんで…?」
「ここまでいつもと違う感じにしたら
マユちゃんどんな顔するかな?って興味があってね」
あたしは
岡本の隣に座りまじまじとガラリと変わったその顔を見る。
いや、別人でしょ…?
「な、なに?」
「別人にしか見えなくて…」
「そんなに変わる?」
「うんあれが、これ?みたいな」
「その言い方なんか嫌だね」
「写真…見ちゃったのバレちゃったから聞くけど
あの写真の女の子って元カノ?」
「…うん」
淋し気に俯く岡本。
その表情を見た途端なんだか、言い表せれないような嫌な気分が頭の中を支配した。
「まだ…好き…なの?」
「…うん」
ツキンと痛む胸の奥。
「でも別れたん…だよね?」
「うん。」
「…もしかしてその子…
前に見たDVDの?」
「うん…」
「でもあたしDVDにこんな子見てないよ?」
なんでか嫌な言い方しちゃった…
けど