俺様☆姫様★王子様 2 【完】

久しぶりに訪れた静寂。



トクントクン



再び蓮の胸に顔を埋めていると、蓮がゴロンと横になって。


「?」


もぞもぞと、首の下に腕が入ってくる。

だから、体重を思いっきりかけてしまわないよう、遠慮がちにちょこんと頭を乗せた。


「遠い」


「は?」


「こっち」


いつも通り短い単語を話す蓮。

もっとくっつけってことね?


ごそごそと、蓮の脇辺りまで移動すると、


「此処」


頭に敷いていた腕を曲げて、片手で胸に収められる。

そして天井を仰いだまま、ゆっくりと穏やかな声がした。











「隣に居ろ。んで笑っとけ。信じてりゃいいんだよ、バーカ」













キュン死した。

いや、死んじゃ幸せを噛みしめれないから嫌だけど、死亡寸前。瀕死だよ。


ホント悪魔だね、蓮は。

いつでもあたしを殺せるんだから。



………最後の”バーカ”は余計だけど。


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