俺様☆姫様★王子様 2 【完】
Last Summer
「お前の匂い……ほっとする」
トクトクトクトク
高鳴る胸の音。
これって………
ちろりと目だけ上に向けると、交差する視線。
「ふふ、一緒だし」
「ん?」
ふわりと優しく返ってくる、声。
素っ気ないようだけど、蓮にしては柔らかい声。
こういう事も、良く見ていないとわからないんだよね。
本当にこの人は、わかりにくいから。
「蓮の匂い大好き。凄く安心するんだ。此処に居るんだ、って。今世界の蓮を独り占めできてるって。ふふっ、優越感に浸れる」
「優越感って、お前はそんなくだらねぇこと考えてんのかよ」
「いいじゃん。今あたししか蓮に見えてないんだから」
「なんだそれ。いつもだし」
「だって、すっごぉく綺麗な女優さんとイチャイチャするじゃん」
「そんなの演技だろぅが。所詮創られたもんだ。それともアレか?”レン”の方が良いって言うのか?」