俺様☆姫様★王子様 2 【完】


館内はざわざわしていて、ファミリーやカップルで賑わってるのに。


あたし達、3人の周りだけ空気が重い。


重くさせたのはあたし。


でも―――



「姫華」


蓮が小さく、だけどしっかりとした口調であたしの名前を呼んだ。


「な゛に゛…」


鼻水で声が普通に出なかった;

「ぶはっ、お前きたねぇ」


「仕方な゛い゛じゃん゛」


「わかった、わかった」


あたしの鼻声を聞いて苦笑いした蓮が、真面目な顔つきになって


「来い。行くぞ」


なんて言って、あたしの手首を掴んだかと思うと


「えっ?えっ?」


状況が理解出来ないあたしを引っ張って歩きだした。


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