俺様☆姫様★王子様 2 【完】
ズズズッ―…
あたしたちは音がした方へ視線を動かす。
「なんでコイツのとこなわけ?」
蓮は、音を出した犯人に人差し指を突き刺しながら言う。
「んぐっ…、」
「はいはい、吹き出したら殺すぞ」
慌てて口元を押さえる、美少年。
その手に持っているパックのフルーツオーレを奪い取ると、蓮はおもむろに吸い込んだ。
「ぐはっ……まっぢぃ」
「好きじゃないなら飲まなきゃいいじゃん」
ギロン
「……;」
超睨まれた。
フルーツオーレ飲んだくせに。
フルーツオーレの癖に。
なによ、ちょっとその画。
かわいいじゃないの。
王子様代表、レンの姿でパックをすするその不釣り合いな感じが、乙女心をくすぐる。
それも鉄板のコーヒーじゃなくて、フルーツオーレ。
しかも何!?そのしなやかな動きは!
少し伸びた前髪が邪魔ならしく、片手でかきあげる。
かっ…………、こいい。
うわっ!あたし何を萌えってるんだ。