俺様☆姫様★王子様 2 【完】
バレたら大変だ。
こんなどうでもいい事で胸を痛めたなんて蓮に知れたら…。
余計に調子にのられる。
だからあたしは立ち上がって、部屋の外へ出る。
「おい、どこいく」
ドアを開けたところで、蓮に呼び止められてしまい、とりあえず俯き加減で振り返る。
「…コーヒーでしょ?」
「………あ、あぁ、頼む」
最後の声を聞く前に部屋から出た。
危ない危ない。
たかが2週間会わなかっただくなのに。
蓮の仕草一つ一つにときめいちゃうなんて。
………思ってた以上に蓮が足りなかったんだ。
そう言えば、声すら聞かなかったのって、前に別れて以来無かったかも。
蓮が”レン”のままってことは、日本に戻って直ぐに会いに来てくれたんだ。
それなのにあたしったら。
ちょっと冷たかったかな。
いや、かなり……?
ガコン…ガコン…
パックのコーヒーを2つ取り出しながら思う。
自覚が無かった自分が情けない、と。