俺様☆姫様★王子様 2 【完】



部屋に入ると……っていうか、あたしの部屋なんだけど、当たり前のように奥のリビングへとむかう蓮。


着替えに戻んないの?って言いたかったけど、寸での所で留まった。


だってまだブラックなんだもん~(泣)

終始黙ったままの蓮は、当たり前のようにソファーに腰をかけ、当たり前のようにポケットから取り出したタバコに火をつける。


この空気が嫌で、とにかくなにか話そうと思った。

ブラックな蓮は好きじゃない。
息の仕方を忘れそうになるから。



「あ、ねぇ、向こうでの撮影どうだったの?上手く行った?」


瞬時に思いつく話題なんてこのくらいしかない自分に腹が立つ。

「………普通」


ふ、普通って。

もうちょっとなんかないの?
ハリウッドはこうだよ、とか、俳優の誰々に会ったよ、とか。


「蓮さぁ…」


真面目に応えてよ、って言うのはやめた。

言った所できっと無駄だし。


何か他の話題……

あ!


「名波さんと何か約束事でもしてたの?」


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