俺様☆姫様★王子様 2 【完】
思惑
―――――…
「今後電源切るのは、絶対禁止。次同じ事したら、……わかってるんだろうな?」
いつもと違う、ブラックオーラを漂わせた名波さんが、車から一度降りて、これまたいつもと違う行動をとって、そんなことを蓮に言った。
「チッ…るせぇな、わかってんよ」
これまたブラックオーラを纏う蓮が、鬱陶しそうに返事をして。
暫く睨み合いをした末、あたしだけに笑顔を見せて「じゃあ」と、車に乗り込むと。
ブロロロ…
前を通りすぎて行く、いつものパールブラックの高級車。
校門を出た所で、隣を見たのに。
「あれ…?」
さっきまで居た筈の蓮が居ない。
すると背後から声が聞こえて。
「行くぞ、バカ」
振り返ると、ポケットに手を突っ込んでB塔に入ろうとする蓮が居た。