俺様☆姫様★王子様 2 【完】
「ダメだって!ちゃんとノックしなきゃ!礼儀だよ?」
焦るあたしに、蓮は首を傾げてる。
「ねっ、常識だよ?わかんないの?」
更に説教染みたことを言ってしまうあたしに
「あ?」
低い声を出す蓮。
「だって……」
あたしが口を尖らせていると
「ははははははっ!怒られてやんの~!」
中から笑い声がした。
はっ!!しまった!
思った時には遅かった。
「蓮が尻に敷かれてる~!」
そういいながら出てきた声の主。
「うるせぇよ、バカ。誰がケツに敷かれてるって?」
思いっきり不機嫌な声を出して、鋭い視線を飛ばす蓮。
その先には突如出没した”壁”。それを見上げると―――
眩しいほど美しい笑顔の、正統派アイドル、奏くんだった。