アイシテルって言えなくて~大人女子と高校生の恋

運命のいたずら

私は驚いて隣を見た。



待合室の椅子に腰かけた女の人だった。


「あの声を聞くたびに
ぞっとするわ……」


窓から射した光に
髪の毛がキレイな色に反射する


「明日は私の番なのかなって
大切な宝物が奪われて行く恐怖
治る見込みのない子供の家族は
みんな怯えている……」




私にその重い言葉に
言葉を帰すことはできないから
ただその人の言葉を静かに聞いていた。



「助けられるのは
医者じゃなくて神様だけ?
なんのためにここにいるんだろう」



立ちあがった女の人は
ものすごくきれいな人で

 ハーフ?

少しきつい顔立ち
日本人・・・・・?
一瞬見えた目の色が少し変わっていた。


女の人は
私の前をすり抜けて
廊下に出て行った。



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