アイシテルって言えなくて~大人女子と高校生の恋
女の人が通り過ぎた空気に


「同じ匂い?」


シャンプーの香りがした。                                                                                                            
携帯が鳴った。



『もう帰っちゃったかな?』
甲斐からのメール


『病院にいるよ』
そう返信した。



病院の駐車場に出ていくと
甲斐が裏口から歩いてきた。

うなだれた様子で
元気がないように見えた。



患者さんを助けられなかった


それが辛いって
言っていた甲斐の言葉を
思い出す



命の重みはわかっているようで
現場にいない私たちの生活には
感じとれないことが
多すぎる・・・・・
そう思った・


さっきのキレイな女の人も
きっと
そんな命を抱えているんだって思った。
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