アイシテルって言えなくて~大人女子と高校生の恋
隣のイスの若い夫婦に違う看護師が
話かけた。


「当直に甲斐先生
いらしゃったから今来てくれるって
よかったわね。」


 甲斐?

「よかった~
ほんとよかった・・・・
甲斐先生が見てくれたら安心できます。」

子供は
「ヒューヒュー」と苦しそうな息をしてる



甲斐・・・・
今 甲斐に会って
話しかけられたら泣いてしまいそうだった



私はその夫婦から離れたところに
座る場所をかえた。


しばらくして
白衣をなびかせて甲斐がやってきた。
病院では眼鏡をかけているんだ…


まっすぐ若い夫婦のところに
やってきて


「ちーちゃんどうですか?」
と聞いた。


「カゼかなって思ってたら
すぐ発作になって……おさまらないから
つれてきました。」


甲斐は聴診器を耳に当てて
子供の様子を見ていた。


「すぐ点滴をして
このまま入院させましょう。
風邪をこじらせると大変だから…
その方が安心でしょう?」


若い父親が涙声で
「そうしてください。
苦しそうで苦しそうで……
先生がいてくれたら安心だから…」


甲斐は優しく微笑んだ。
< 289 / 668 >

この作品をシェア

pagetop