アイシテルって言えなくて~大人女子と高校生の恋
「ナイス~!!
ヘイちゃんは向こうでもバスケうまくて
今もやってるの?」

芽理衣の気は恭平にうつった。


「あ…そろそろ…
戻らないと……
じゃ…おやすみ・・・・」
恭平はそう言うと松葉杖を持って歩き出した。



「行こうか」


甲斐が私の肩を抱いた。



しばらくして松葉杖が転がる音がして
私は振り返った。

暗い待合室・・・
自動販売機の灯りに照らされて


恭平に抱きついた芽理衣が
キスをした。


 うっそ・・・・・

私は慌てて目をそむけた。


「どうした?」
甲斐が私の髪の毛を撫ぜる。


「ううん…なんでもないよ……」

あの二人には私の知らない過去がある
恭平が忘れられない女性と再会したら
あんなこと当たり前なんだ……



心が粉々に壊れて・・・・
めまいがした。


甲斐が支えてくれたような気がした。
< 359 / 668 >

この作品をシェア

pagetop