アイシテルって言えなくて~大人女子と高校生の恋
奈々さんと一緒に片づけを
手伝った。


恭平は父とテレビを見ている。


父はゲラゲラ笑ってるけど
恭平はただテレビを見てるだけ


「奈々さん
恭平くんっていつもあんな感じ?」


「あんまり気持ちを出す子じゃないの。
今はまだ緊張もあって
固いんだと思うんだけど~」



「恭平くんって美少年だよね?
奈々さんに目元が似てるけど
ここだけの話……ご主人って
どんな人だったの?」



「そんな…恵太さんに言わない?
恵太さんには全然いけてないって
言ってあるんだけど……」



「もちろん絶対に言わない~!!
恭平くん見てるとなんかわかるけどね」



奈々さんが声をひそめた。


「モデルの仕事もしてたのよ~
っていっても広告のモデルだけど
仕事の合間にね……
若い時は本気でなりたいって思ってたけど
やっぱむずかしいでしょ?
男の人って家族養わなきゃならないし
私と結婚を決めてちゃんと就職してくれて
たまに依頼があれば
広告にスーツ着てのってたのよ。
恵太さんには秘密ね!!」


悪戯っぽく奈々さんが笑う。


「なるほどね~
二人のめちゃいいとことったんだ~
恭平くん……」


恭平の笑顔が見たい


そう思った。
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