アイシテルって言えなくて~大人女子と高校生の恋
後から聞こえる足音に振り向いた。


恭平が歩いてきた。


 もしや……

私は焦った……
あのキスを見られてなかったよね……って



「おかえり」
私はちょっと恥ずかしくなったけど
恭平に声をかけた。


「ただいま」
恭平は無表情で答える。



「今 帰り?
部活してるの?少し遅いね。」



「図書室によって来たから。」



「勉強!?
恭平くんはすごいね。
私とは大違いだわ……」



「いや…ただの読書だから……」

会話がブツブツと途切れながら
家の前まで来てしまった。


恭平の横顔を見る


長いまつげが上を向いていて……
鼻筋もとおっていて
話す時
口角がキュッと上に上がる

恭平の心の底にはこの結婚に
複雑な思いがあるのかな

私は思った・・・・・・。

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