アイシテルって言えなくて~大人女子と高校生の恋
エレベーターに向かって歩いていると
詰所からでてきた
年のいった看護師に


「あら?お見舞いに来られたんじゃ?」

と聞かれた。


「あ…いえ…
なんか楽しそうでまた後で来ます。」

慌てて答えた。


ずっとあそこにいたから
不審に思われてたんだろう。



「いいんですよ。
うちの先生…入り浸りだから…
何なら追いだしますけど?」


「あ いえ…いいんです。
時間もなくなったしまた来ます。
あ…先生なんですか?」 

 すっとぼけて…聞いた。



「そうなんですよ。
一日何回来るんだか~
まったく…もう…アツアツでしょ?」



「あ…ほんとに
邪魔したら悪いので
また来ます」



私はおしゃべりな看護師から
逃げるように
エレベーターに飛び乗った。



あんなに強く抱かれたのに
甲斐を信じられない……


あの二人には
そんなつながりはないはずなのに


体より強い絆で
二人は結ばれている



私を抱いて
愛してる

そう言った甲斐が
遠くに感じる………
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